カードキャプターさくら

僕には姉がいて、姉が好きだった影響からカードキャプターさくらの漫画を昔から読んでいて、とても好きなのですが、この度カードキャプターさくらのアニメをさくらカード編まで観たので感想をまとめておきたい。

 

全く見たことがなかったわけではなく、家にビデオもあったので少しだけ観ていた。特に劇場版の同時上映だったケロちゃんとスピネルのたこ焼きを追いかけるだけの話を無限に観ていた。

 

原作は何回も読み返しており、下宿してから読みたくなってメルカリで全巻セットを購入したくらいには好き。

 

まずカードキャプターさくらのテーマとなっているのが「好き」というもので、さくらちゃんの世界には様々な好きがある。だが、その一つ一つの「好き」に名前はついておらず、ただ好きという感情としか呼べないのです。

 

形式ばった感じで感情を書くと書きたいことが書けなくなるので羅列します。

 

とにかく登場人物すべてが優しさで満ちているのでニコニコになる。桜ちゃん本桃矢人もそうだし、お父さんである藤隆さんや、桃矢お兄ちゃん、雪兎さん、知世ちゃん、クラスの友達、エリオル君などもそう。この世界に悪など存在しえない。

アニメオリジナルキャラクターの李苺鈴については、このキャラクターを追加した事情を想像することにする。まず、立ち位置としては小狼君にぞっこんという存在である。最初に観た時は、小狼君にぞっこんキャラがいることにあまり違和感はなく世界観にも溶け込んでいたと思う。それこそ桃矢に対する秋月奈久留のような存在だったのでなじんでいたのだと思う。しかしよく考えると小狼君は桜ちゃんとくっつくことが分かっているので確実に報われない、いわゆる負けヒロインになることが決定していたともいえる。実際にさくらカード編で香港に帰った苺鈴に小狼君が桜ちゃんのことが好きになったと伝える回があるが、その回で苺鈴は知世ちゃんに慰められ、それで解決という感じになっている。実際原作の世界のように誰とも好きな人を奪い合うようなことがないのはある意味ではきれいごとなのだが、わざわざさくらちゃんの世界でその失恋を描く必要があったのか少し疑問に思った。アニメ版はかなりカードの種類も増やしているし、オリジナルの話も多いので、単純にキャラを増やすことで話を増やしやすくしたというのはわかる。しかし、負けヒロインである必要はあったのか難しいところだと思う。確かに原作では小狼君側に身内の人がいないし、小狼君の従妹というキャラは空いていた隙間を埋めるものだったと思うし、ここで、クラスの人を常連メンバーにするのは違和感がある。やはり、李苺鈴というキャラが一番の回答だったのかもしれない。ちなみに見た目のデザインや、キャラクター性はとても好きなのでキャラ自体を批判しているわけではない。これはアニメにして、引き伸ばすために必要なことだったのだ。

あと、アニメでは桜ちゃんのクラスメイトの利佳ちゃんと寺田先生の恋愛については利佳ちゃんが一方的に先生を憧れているという感じの描写になっていた。やはり、子供が大人に恋愛感情を抱くことは許されても大人が子供に恋愛感情を抱くことは許されないようで、ウィキペディアによると北米版のアニメでは全く恋愛感情がないように描かれているらしい。これは少しショックで、最初に言った通りカードキャプターさくらの世界には「好き」という感情だけがそのまま描かれていることが良いので、そこに「ペドフィリア」というような認識があることはとても悲しい。同じように雪兎と桃矢も「ゲイ」と呼ばれているわけではないし、知世ちゃんと桜ちゃんも「レズビアン」と呼ばれてもいない。すべて「好き」という言葉だけで説明されることに魅力を感じている僕としては利佳ちゃんと先生の恋愛が描かれなかったのは少し悲しいが、しょうがないなと言った感じ。

しかし、アニメ版がすべて改悪されていたわけではなくオリジナルでとても良い話もあった。例えばクロウカード編22話「さくらとやさしいお父さん」では僕が個人的に好きな藤隆さんにフューチャーされていて、とてもいい話だった。藤隆さんの台詞も原作にあってもおかしくないような優しい言葉ばかりで、最高でした。あと、さくらカード編12話「さくらと二人の大ピンチ」では、月さんのキャラがとてもよくて僕はニコニコしていた。よく考えると漫画というものは大筋のストーリーを常に追いかけているので、こういった大筋にあまり関係のない日常回というものがあまりないので、アニメは良いのかもしれない。ほぼ同人誌と同じ役割をしている。

あと気になったこととしてはエリオル君が藤隆さんとクロウリードの魂を分けたという設定が無くなっていたのでなんで桜ちゃんが魔法を使えたのか説明できていないと思った。でも些細なものだし、実際原作でも急にお父さんが出てくるのでなくても問題ないと思う。

この漫画での桜ちゃんは魔法で変身するわけではなく知世ちゃんが衣装を作ってくるためそのたびに違う衣装を着ている。そのため魔法少女をアニメでやるときによく行われる変身バンクというものが作れないので、政策はとても大変だったんだろうなと思った。そのためのED後の「ケロちゃんにおまかせ!」だったのかもしれない。

あとは千春ちゃんと山崎君の恋愛とかのオリジナル回が欲しかったです。

 

もう満足しました。1年後に自分で読んでまた満足します。